[056] may might
英語の自習時間。俺たちは、事前に配られた英語の課題プリントをとりあえずテキトーにこなしていく。やるやつは真剣にやっているが、やらない奴は「あとで他の奴のを写せばいーや。」なんて調子で、隣の生徒と喋りまくっている。
そんな中、珍しくも真剣にやっていたはずの、いつものメンバー、仲良し3人組と、よく分かんない3人組…、の中から、葵の後ろの席、刹那の前の席、沖田の隣の席から「ッブ」という妙な声が漏れた。
まあ、つまりは俺なんだけどね…。
「ねえ、。あたし、あんたが今ここで笑うのって、とっても可笑しいと思うんだけど…。」
呆れた声と表情と一緒に、が振り返って俺のやっていた問題集を覗きこむ。
「…っ。だ、だって…!ちょっとコレ読んでみろって…!」
必死に笑いを押し殺しながら、俺は英語の1文を指差す。そして、
「っ」
ちょっと吹いた。
「でしょ?!でしょ?!!」
「でしょって言うか…、コレは…。」
「どれですかィ?」
俺とのやりとりが気になったのか、隣の総悟が椅子をこっちに近づけて、と同じように問題集を覗きこむ。すると、なにやら高杉も興味があるらしくて、立ち上がって彼と一緒に覗きこむ。結果…、
「これは…。」
「結構ヤバイと思わない?」
「ああ、流石にこれは…。」
総悟に同意を求めてみれば、彼は神妙に頷き、高杉の方も、似たような台詞で頷く。つか、皆そういうこと言ってる割には微妙に笑ってたりする。
「え?何、みんなして。何かあったの?」
流石に前4人が寄って集って1ヶ所に集まると、周りも興味が沸く。後ろから、興味津々そうにが俺の肩越しに身を乗り出してきた。実際に見たわけではないけれど、きっと土方もそれなりに興味をしめしてたりすんだろう…。
「ああ、もコレ見てみなよ。ちょっと笑っちゃうから。」
4人の真ん中にあって埋もれていた俺の問題集を、後ろの2人に手渡す。
3) He wants to know how she goes to school.
彼は彼女がどうやって学校に通っているのか知りたがっている。
…おもっくそストーカーじゃん…。
「な、ちょっと笑っちゃうでしょ?でも、次のとセットで考えると、さらに危なくなるから。」
4) Do you know where Lisa went last Sunday?
あなたは先週の日曜日にリサがどこに行ったか知っていますか?
ヤバイ、調べてる…っ!
「これきっと、さっきの彼女のことですぜィ。」
「、あたしこの問題集絶対ヤバいと思うよ!」
「っは。おもしれーじゃねーか。こんな傑作載せるなんて、イカしてるぜ。」
上から順に総悟、、高杉。
「でもまあ、あたしが1番危ないなって思うのは、こんなヤバイ系の問題集買ってくるだと思うんだけどね…。」
「それには俺も同感だ。お前一体どんな目ぇしてんだ?」
上から順に、、土方。つか、俺微妙に罵倒されてる。
「ええ?!だってそれはしょうがなくない?やってみるまで誰も分かんないって。」
「いや、きっとの周りではこういうことが、日常茶飯事レベルで起こるっていう運命なんだよ!」
いやいや、さん?そこそんなに力説されても困るから!
「何それ!?要らねーよ、そんな運命!どんだけだよ!」
「認めろィ、。お前はそういう定めなんでィ。」
いや、だからどんだけだよ!そう思って、総悟の胸倉を掴んだら、テキトーに「暴力はんたーい。」とか言ってはぐらかされた。
違うから!俺そんな運命絶対認めないから!でも、そう言っても、絶対コイツらは鼻で笑って捻じ曲げるんだよな…。なんかもう相手する気力も失せたから、「あー、あー。もういいよ、それで…。」とテキトーに言ったら、土方から一言。
「お前、可哀想な奴だな。」
…それ、お前にだけは言われたくない…。あんまりなことに机に突っ伏したら、あんまりなことに周りの奴らが、「土方にまで言われるなんて、はもう手遅れだ。」とか何とか言って、爆笑しだした。
なんか、もうホント「勘弁してくれ…。」って思った。